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弱小青学大を箱根優勝に導いた「伝説の営業マン」原晋監督の「営業力」の正体

皆さま大変遅くなりましたが、改めまして新年あけましておめでとうございます。新しい年の話題として、新春恒例の箱根駅伝で青山学院大学が初優勝し、そのチームを率いた原晋監督が話題の人になっています。「元伝説の営業マン、箱根を征す」。営業は一応我がフィールドなので、営業スキルと青学大箱根制覇の関係を少し取り上げておきたいと思います。

原晋監督に関しましては、ネットニュースで知り得る以上の情報を持ち合わせておりませんので、具体的に原氏のどのようなキャリアや営業スキルがチーム指導の役に立ったのかは存じ上げません。恐らくは、間もなく(既に?)著作の執筆依頼等が殺到するでありましょうから、そのあたりは近い将来ご本人の筆により語られることになるのではないかと思います。

では私が一体何を申し上げるのかですが、一応営業コンサルティングや営業セミナー等をやらせていただいている立場から、想像に難くない、いや恐らく確実に的を射ているであろう青学大チームを箱根制覇に導いた原監督最強の営業スキルのお話をしてみようと思います。

原監督が最大限に活用されたであろう最強営業スキルとは、ずばりコミュニケーション力です。なぜなら、営業力とはイコール、コミュニケーション力であるからです。原監督が中国電力の法人営業担当時代に「伝説の営業マン」として君臨できた理由は、間違いなく氏がコミュニケーション力に長けていたからに他ならないのであり、その人並み外れたコミュニケーション力をもってして、かつての弱小青学大駅伝チームを優勝チームにまで押し上げることができたのだと断言してよいと思っております。

ここで勘違いして欲しくないのは、「コミュニケーション力=話す力」ではないということ。むしろ「聞く力」を「話す力」と同様、あるいはそれ以上に持ち合わせていることが、これまで私が現場で見てきた数多くの優秀な営業マンの共通項でもあるのです。

原監督は青学大監督に就任して何をしたか。新聞報道によれば、まず目を引いたのは「持ち前の営業力を活かした優秀な高校生のスカウト」です。これは、言い換えるなら熱意です。熱意は営業力の中でも非常に大きな比重を占めるものです。熱意ある折衝が営業力を高め、それを続けることが確実に成果を積み上げることになるでしょう。そしてその熱意をより強く伝えるものがコミュニケーション力なのです。伝えること、聞くことで、相手の懐深くに入り込みそのハートをつかんで離さない、そんな折衝か目に浮かんできます。

次に目を引いた新聞報道は、「トレーニングにおける営業実績管理手法の導入」です。すなわち、親身の実績管理です。これこそコミュニケーション力が大きく問われる部分。個々人に明確な目標を掲げさせ、その進捗を月次でしっかりと管理する。やるだけなら事務的な流れさえ作れば可能なのですが、それを個々の選手の成長と言う形で有効たらしめるのは、選手一人ひとりとの個別コミュニケーションに他なりません。そこで発揮されるものが、的確な指導と同時に「聞く力」なのです。優秀な管理者は担当者との個別ミーティングで、とにかく聞いて、聞いて、聞くのです。うまくいっている秘訣を、うまくいっていない悩みを、何をしまた何を迷っているのか。目標を掲げたトレーニングが確実に選手の成長につながった背景には、成長を選手任せにしない綿密なコミュニケーションが存在したことは間違いありません。

さらに新聞報道には、「原監督は夫婦で選手寮に住み込み、日々自身の夢を語りつつ選手たちとの対話を通じて皆を勇気づけてきた」とあります。リーダーがビジョンを明確化し可能な限り繰り返し繰り返し刷り込むことは、目標の共有によるチーム意識とゴール到達意欲の醸成につながる重要な作業です。この作業を後押しするものが内向きの営業力であり、言いかえればこれまたコミュニケーション力のなせる技に他ならないのです。

余談になりますが、今年の箱根駅伝の最終区間で8位から19位へと大きく後退した中央大学の選手がいました。本当に気の毒なことでしたが、彼は「ウォーミングアップの段階で足に激痛が走ったが、監督に言い出せなかった」というコメントを残しています。彼が言い出せなかった理由は何なのか、監督に怒られることが怖かったのか、それともせっかくランナーに選ばれたそのポジションを手放したくなかったのか。前者なら監督との距離感、後者ならチーム意識の欠如を感じます。いずれにしても、監督を中心としたチーム・コミュニケーションがもっと密であったなら、確実に避けられた事態であったと思われ、コミュニケーション力をもって優勝に導いた原監督とは好対照な出来事であったと感じた次第です。

繰り返しますが、営業力はイコール、コミュニケーション力であり、またそれはあらゆるビジネスシーン、あらゆる人間関係に有効であるという「営業万能論」が私の持論でもあります。「伝説の営業マン」原監督へのスポットで幕を開けた2015年。今年は営業力が注目テーマとなる年になるのかもしれないとも思え、個人的に楽しみな年明けとなりました。

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