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日本のTPP参加は、環太平洋地域が信頼感薄く、中国覇権、米国カーギル社の穀物戦略から見て時期尚早

◆菅直人首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加に前向きという。だが、時期尚早である。半世紀は早い。なぜかならば、EUとは違い、環太平洋地域には、未だ「共同体」が出来ていないからである。鳩山由紀夫前首相が提唱している「東アジア共同体」ですら夢物語の域を出ていない。

急成長目覚ましい中国の共産党1党独裁北京政府は、いつ手のひらを返して信頼を裏切るかわからないほど野蛮である。尖閣諸島沖の中国漁船(スパイ工作船)衝突事件後の「レアアース輸出禁止措置」(北京政府は否定)が最もよい例で、突然、対日輸出禁止を打ち出す恐れが、今後とも起こり得る。

これは、自由貿易を標榜する米国も例外ではない。経済制裁と称して、米国の都合で輸出禁止を発令しないとも限らない。大東亜戦争勃発前、米国が対日石油輸出禁止を断行した実例を忘れてはならない。日米中3国は、本音部分で信頼し切ってはいない。不信だらけである。

◆ここで用心しなければならないのは、TPPに合う産業と合わない産業があることを、当然ながら区別する必要がある。合わない産業が、食糧生産産業であることは、言わずもがなである。軍事的な安全保障以上に大事なのは、食糧安全保障であり、それ以上に大切なのは、信頼である。その最上級の「信頼関係」がまだ築かれていない。孔子が弟子の子路に「軍備、食べ物のうち一番先に捨ててもよいものは何か」と聞かれて、最後に残すものは「信」と答えたように、「信なくば、この世は成り立たない」のである。だが、肝心要の「信」が、環太平洋地域には、まだ確立されていないのである。

◆その典型的な実例が、中国共産党1党独裁北京政府の「覇権主義」である。日本政府、とりわけ外務省が、だらしがないのであるけれど、北京政府の軍拡政策は、明らかに日中平和友好条約に違反しているのに、一度も抗議してこなかった。日中平和友好条約の全条項は、以下の通り。

 第一条 1 両締約国は、日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。

2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

第二条 両締約国は、いずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇(は)権を求めるべきではなく、また、このような覇(は)権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第三条  両締約国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力する。

第四条 1 この条約は、批准されるものとし、東京で行われる批准書交換の日に効力を生ずる。この条約は、十年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによって終了するまで効力を存続する。

2 いずれの一方の締約国も、一年前に他方の締約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させることができる。

◆「覇権条項」に明らかに違反している北京政府を信頼して、事を運ぶとひどいめに遭う。「信頼関係」もさることながら、食糧安保が損なわれると日本民族の命運にもかかわる。工業製品の生産は、海外移転できても、食糧生産を国土ごと海外に移すことはできない。加えて、食糧生産は、天候にも左右される。ここのところを無視してはならない。

 さらに、日本国民の大半が、認識不足なのは、世界最大の穀物商社「カーギル社」の穀物戦略である。非上場会社であるだけに実態がよくわからないところが、極めて怪しい。うかうかしていると、生殺与奪権を握られて、日本民族は、大変なことになる。

 菅直人首相が最も神経を使わなくてはならないのは、ブッシュ前 大統領とデイビッド・ロツクフェラーが企てていると言われている「第三次世界大戦」である。いざ大戦争となれば、軍費はもとより、食糧の自給生産である。

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