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チャラい青学が優勝するそのわけ

あまり自分の出身校を書くのはどうかと思ったのですが、私は青山学院出身でございます。

高等部の時、窓の向こうの大学でサザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でデビューし話題になっていた時、「なかなかやるじゃん」と口では軽く言い流しながらも自分の中には大きな影響を与えてきました。その後、サザンの曲とは今日まで一緒に人生を歩んできました。桑田佳祐「先輩」が何を歌っているのか聞き取れず、ステージを端から端まで走り回っていたあのスタイルに明らかに既存の概念にとらわれない何かを感じていました。

今でも高校のクラスメートとは年に1,2回飲みをしながらチャラかった学生時代の話や同窓の噂話に華を咲かせるのですが、正直、皆、したたかに生きています。いい加減そうに見えた奴ほど「へぇ、あいつがねぇ」という出世をしていたりするのです。

昨日の箱根駅伝の青山学院の勝利には感動いたしました。往路の優勝が神野力(神の力)なら復路はチームの力を見せるという気迫、そして区間賞3人、二位2人で往路での後続との約5分の差を最後、10分50秒まで引き離したのは駅伝はチームプレイという基本に立ち返ったところにあります。

では、駅伝ではまだまだ新参者である青山が勝てた理由は何でしょう?

私はまず、監督の采配を挙げます。「重い玉を転がすイメージ」で「一旦転がったらあとは楽」と言い切る原晋監督は基礎を作りあとは選手を楽しませていたと思います。このリラックスした感じが青山のチャラいイメージとマッチすることは卒業生である私が太鼓判を押します。この監督と学校のイメージと学生の三位一体感が勝利へ結びつけたと思っています。例えば二位の駒澤大学の選手の後ろから管理者(監督)の乗るクルマのスピーカーを通じてハッパではなく、厳しい言葉のシャワーで選手にプレッシャーをかけていました。この大学の校風はこういう事なのでしょう。でも青山では効果がない気がします。

東洋大学が昨年優秀した時は酒井監督の「一秒を搾り出せ」が名言として伝えられました。一番を取らなくてはいけない義務感でもありました。

青山は原監督が述べているように「宝塚劇団と一緒です。舞台の上では着飾っていますけど、その裏では泥臭いことをしている。本番では少しくらいチャラくてもいいんですよ。」が校風そのものを語っていると思います。昨年も一昨年もそうでしたが5位や7位でゴールしてもみんなニコニコしていました。こんなチームは他にありません。どのチームも一位以外は悲壮感すら漂っています。

がんじがらめに管理し、先輩や監督、先生のやり方をかっちり踏襲するスタイルは日本の伝承の基本でありました。しかし、70億人の人間はすべて違うDNAを持っています。そしてその基本スタイルは我々が住む土壌、国や社会、文化、歴史、宗教などあらゆる環境をベースに後天的なインプットが行われます。とすれば、新たなる伝承とは基本を踏まえながらあとは後天的な才能を引き出し、新たなる色や道を創造することも大事でしょう。

私は青山学院のイメージが田中康夫の「なんとなくクリスタル」で作り上げた世界が実態と本質を見誤らせる原因であったと思います。同小説が青山を特段意識して書いたとは言いませんが、あの当時(1980年)の青山が作り上げた独特のきらびやかで軽いテイストは日本の大学生に衝撃的ですらあったと思います。しかし、その浮ついたイメージはごく一部だったと記憶しているし、その経験を通じて新たなるステージに上がっていった人も数多かったはずです。

上り詰めるにはいろいろな道があると思います。官僚になるには東大法学部という一つの王道はそのうち崩壊するでしょう。いろいろな成長過程のブラッドをもった人間が作り出す世界は日本をより強くするとも言えるのです。

自由に放たれながらもチームの結束力と明白な目標を、そして作り上げられた基礎の力を信じながら努力すれば成し遂げられるという事です。正月早々本当に良いものを見せてもらいました。私には大きなエキスとなりそうです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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