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人間とテクノロジーが共存する“人機一体”の未来を提示した超福祉展

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日ご縁があって、渋谷ヒカリエで行われていた「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」に行ってきました。

今回は、このイベントの展示を見て考えたこと、そしてシンポジウムのトークセッションを聞いてみて自分が感じたことなどを少し書いてみようと思います。

最初に結論を言ってしまえば「人間は自然と共存してきた。それと同じように今後はテクノロジーと共存していく様になるのかもしれない。」ということを考えました。人馬一体ならぬ“人機一体”、その未来を牽引するのが日本という国になっていくのかもしれないという可能性を感じさせてくれるイベントでした。

「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」とは?


このイベントは、「2020年までに実現されるかもしれない、ワクワクして、可愛くて、カッコよくて超ヤバい!そんな福祉の在り方を、渋谷という街から発信していこう」というイベントです。特設サイトから少し引用してみましょう。

福祉や福祉機器と聞いても、なんとなく「自分には関係ない」と感じてしまう人も少なくないと思います。日本では建物や道路の物理的なバリアは年々低くなる一方で、一人ひとりの心の中に存在する「意識のバリア」はまだまだ高いまま。今回の展覧会では、思わず「カッコいい」と着けてみたくなる、「カワイイ」と使ってみたくなるデザイン、また健常者以上の機能を与えてくれる「ヤバイ」テクノロジーの福祉機器や福祉サービスを集めました。

同時開催されるシンポジウムでは、先駆的な研究者や実践者、従来の福祉の文脈では登場しない人々にも集まってもらい、福祉の新しい選択肢となる「超福祉」のあり方について語り合ってもらいます。「2020年、超福祉が実現した渋谷の街の日常」を実際に感じて、考えて。ここから日本中に、世界中に超福祉の風をいっしょに起こしていきましょう。

引用元:2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展

このイベントでは、「福祉×◯◯」というカテゴリーをいくつか設けており、「福祉×ファッション」「福祉×メディア」「福祉×テクノロジー」などなど様々なジャンルから福祉を取り上げていました。

一番印象的だったのは「福祉×テクノロジー」

今回、このイベントの中で個人的に一番印象的だったのは「福祉×テクノロジー」の分野です。

特に慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の稲見昌彦さんがおっしゃっていた、「自動化ではなく自在化」というお話が非常に印象に残りました。

「障害をもつ人間のできないことを補助、または自動化するだけがテクノロジーの力ではない。健常者も含め人間がやりたいと思うことを更に拡張してくれること、それがテクノロジーの力であり、超福祉の世界である」と。

確かに稲見教授の言うように、テクノロジーというのは人間本来の限界や可能性を拡張してくれるものです。福祉という分野で語られてしまうから、僕たちは「あくまでも障害者を補助する一つの手段でしかない」と捉えてしまいがちですが、現場で研究されている方々はそこに留まらないわけです。

健常者であろうが障害者であろうが、テクノロジーを使ってその人の限界を拡張しようとする行為は同じで、自動化だけではなく、その延長線上に自在化へ向けて拡張させて考えて行こうとしているということです。

例えば、シンポジウムの中では、足を失った人がつける義足について解説するときも、障害者の歩行を補助するものと考えるのではなく、「人体の一部にスペースができた」と捉えて「ここに何を当てるのか」という視点で考えるようにしていると仰っている方がいました。「このスペースをどのように活用するかがカギだ!」と。

確かに言われてみればごもっともな発想で、この発想の転換が今回のイベントの趣旨である「超福祉」という考えに繋がっていくのだと思います。




コンピュータが人間を超える世界。

最近巷ではよく、コンピュータが人間を超える世界がまもなくやってくるであろうという未来予測が度々語られています。

チェスの世界では既に人間がコンピュータに負けてしまったという話も記憶にあたらしいところです。

ただ、このチェスの世界でも、コンピュータより更に強い者がいるらしいです。それは何者かというと「コンピュータと人間が協力してプレイした場合」だそうです。

つまり、ある程度の選択肢までコンピュータが弾き出した後、最後の決断は人間が施すというもの。そうすると、人間に勝ったコンピュータを相手にしても負けないそうです。

人機一体が、未来を変える?

このお話の時に、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の稲見昌彦教授がおっしゃっていたキーワードが、人馬一体をもじった単語で「人機一体」という言葉。つまり人と機会が本当の意味で一体になったときに最高のパフォーマンスを発揮するということ。

ちなみに、人馬一体とは、乗馬において乗り手と馬が一つになったかのように、なだらかで巧みな連携が行われることを言います。

馬、つまり自然界の動物であり、自然との一体となった瞬間を日本人は古くから追求してきたわけです。

日本は、世界の中でも自然と共存することが上手な国だと言われてきました。さらに地震をはじめとした自然災害とも常に向き合ってきた国です。そして奇しくも、テクノロジーという分野も日本が得意な部分。

もしかしたら日本がこれまで世界へ向けて、自然との共存関係を示してきたように、今後は世界へ向けて、テクノロジーと人間の共存関係の在り方を示していくことができるような国になっていくのかもしれません。

そう考えてみると、一番身体に近い部分でテクノロジーを活用しようと日々進化し続けている福祉分野というのは、これからの未来を担っていく産業なのではないでしょうか。

日本のお家芸と呼ばれるような産業がドンドンと衰退していく中、この分野に一筋の可能性を感じられる、そんなイベントとなっていました。

それでは今日はこのへんで。

ではではー。

(取材協力:日本財団)

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